河童のクゥと夏休み

久しぶりに映画を見て泣いた。号泣した。
クレしん」劇場版で名を上げた原恵一監督が長年あたためていた企画ということで、良作なのは分かっていたが、人権啓発映画みたいな微妙なキャラデザインのせいで、ずっと食わず嫌い状態だったのだ。
ほのぼのしたタイトルとは裏腹に、内容はけっこうエグい。
冒頭、クゥの父ちゃんが斬り殺されるところから始まって、子供向けアニメにはあり得ないような展開にどんどん突き進んでいく。
ラストにしても、希望のある終わり方ではあるが、真のハッピーエンドかと訊かれるとやっぱり違う。
でも、そういう「トゲ」があるからこそ、いつまでも心に残る作品になるのだと思う。
ただ惜しむらくはキャラデザの古臭さ(別に「萌え」なんて要らないけど、もう少し洗練されていれば)と上映価間の長さ。このテーマ・内容で2時間超はやはりキツイ。
たしかにどのシーンも切るにしのびないのは見れば納得なんだけど、そこをなんとか90分位にまとめるのが監督の手腕だと思うんだけどなぁ。
このまま隠れた名作として埋もれていってしまうには非常に惜しい、愛すべき作品ではある。