大日本人

面白い! けどすごく「惜しい」作品だった。
特撮シーンのクオリティは予想以上に高い。巨大感、「獣」のキャラクターとも抜群。大佐藤の哀愁を帯びた表情もいい。これ、すべてCGだよね?
かつては国民的ヒーローとしてもてはやされながら、いまや深夜枠に追いやられ一般の人からは「ダサい」「時代遅れ」と揶揄され、それでも「伝統」としてルーティンワークをこなしている……ってまんま今の「ウルトラ」じゃないスか(^_^;)
本来こういう作品こそ円谷が撮らなければならなかったはずなのに、思いっきり後ろ向きの「メビウス」とか明後日の方向に行ってしまった「セブンX」とか作ってるんだから、そら買収されてしまうはず。唯一これに近いことをやろうとして失敗したのが「ネクサス」だが、ファンも「ネクサス」に共感しなかったということはやはりウルトラは消えるべき運命にあるのかも。
脱線したが、それだけに「大日本人」が惜しいのは最後オチをああいうかたちで「逃げ」てしまったこと。あれはあれで面白いし言わんとするところも分かるのだが、やはり映画としての決着を付けて欲しかった。またフェイクドキュメンタリーにするのならもっと徹底しても良かったんじゃないか。テロップやナレーションを入れるとかCMを入れるとかね。
ともあれ、久しぶりに二度三度と見返したくなる作品でした。